Report2025.03.10

2回目の訪問が実現!GBAチームエチオピア訪問記(その1)

女性支援のためのソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」は、昨年より活動を海外へ拡大させる取り組みとして、アフリカ・エチオピアへの支援を開始しています。

アフリカの北東部に位置するエチオピアは、一人当たりの国民総所得(GNI)は790米ドルと最貧国の水準であり、慢性的な食料不足や安全な水の供給不足、地方における教育・保健を含む社会サービスの未整備など、深刻な課題を抱える後発開発途上国です。

・生理期間は学校に行けない
・生理期間は“穢れ”とされ、家族と食卓を囲むこともできない
・“月経小屋”に隔離されてしまう

これらは地域によって未だに残る慣習。
エチオピアでは、日本以上に“生理”がタブー視される現状があります。

これらの現状を変えるために、GBAでは、エチオピアにて女性の体・生理に関する知識の普及や意識変革、生理ナプキンに代わる吸水ショーツの認知・縫製技術の普及を試みるプロジェクトを実施しています。

昨年12月、より支援を広げることを目的に、GBAチーム2回目のエチオピア訪問が実現。
プロジェクトを運営するBe-A Japan代表の髙橋とPRの武市の二人が、支援先の見学や生理セミナーを開催しました。
2泊3日の現地滞在の模様を、髙橋と武市それぞれの目線からレポートします。

*昨年3月のエチオピア訪問の模様はこちら

*エチオピア訪問記(全3回)
その1
その2はこちら
その3はこちら

エチオピア1日目:感動の縫製工場見学とUNFPA訪問(記:PR 武市奈々子)

初のアフリカ大陸訪問に胸を躍らせつつ、エチオピアの首都アディスアベバを目指して一人、成田空港を出発した私。

実は今回の旅、髙橋とはエチオピア現地集合。
日本から直線距離でも約1万キロ、そんな現地集合ある?と思いつつも、韓国/仁川を経由し無事アディスアベバ・ボレ国際空港に到着。

ここまでは順調だったのですが…まず空港でSIMカードを購入しネットを開通させると、LAから向かっていたはずの髙橋が飛行機の遅延により到着が遅れるとの連絡が。

そして、来ているはずのホテルの送迎の方も姿もなし。

「どうしよう…」と焦りつつも、なんとか現地で待ち合わせの方と連絡を取り、空港に直接迎えに来てもらえることに。
治安の関係上、エチオピアでは日本人、特に女性は一人で外出するのは大変危険なこと。最悪空港で髙橋を待つしか…とも考えていたため、なんとかなったという安堵感と達成感でいっぱいになりました。

サレム子どもの村縫製訓練所へ

まさかのハプニングを乗り越え、最初の見学先である「サレム子どもの村縫製訓練所」へ。
ここでは、体や生理に関する知識の浸透や普及とともに、吸水ショーツの縫製技術を教えています。


25人ほどのグループが4つ、1期生〜4期生までが順番に約1ヶ月間、毎週月水金で技術を学んでいるそう。
訪問した火曜日は授業日ではなかったものの、特別に集まってくださいました。

2期生がBé-A〈ベア〉の資料を使いながら、生理や体の仕組みを教える授業を受ける模様を見学。
講師は2023年冬、日本に研修に来てくださったカセムさん。
(※来日研修の様子はこちら

生徒は20代〜40代くらい、多くが女性でしたが、中には男性の姿もありました。時に笑みを交わしつつ真剣に学んでいる姿に、胸が熱くなりました。


そして教室の横にある、縫製工場へ。ずらりと並んだミシンがお出迎え。
縫製工場のスタッフが、すでに研修を終えた1期生の卒業製作である「吸水ショーツ」を見せてくれました。
想像以上の素晴らしい出来栄えにまた感動を覚えます。
Bé-A〈ベア〉の吸水ショーツの技術を継承しながら、エチオピア現地で生地を調達し材料を揃えて製作しているそう。
しかし、吸水ショーツにとっていちばん重要な「防水布」がエチオピア国内では手に入りにくいとの課題も。

▼製作者一人一人の名前がついた「吸水ショーツ」。ショーツ本体から吸収体が離れた構造もBé-A〈ベア〉を受け継いでいる。

見学を一通り終えて、施設内にあるレストランで昼食をとっていると嬉しい出会いが。
なんとエチオピア人のベア サークル*メンバーNoamiさんがレストランまで会いに来てくれたのです。
Noamiさんはこの施設内で調理の勉強をしているそう。
そんな彼女に元気をもらいながら、次の予定であるUNFPA(国連人口基金)**のエチオピア事務所代表との会談へ。


*ベアサークル…Bé-A〈ベア〉が主催する、生理ライフをよくする会 「Bé-A Circle(ベア サークル)」のこと。
**国連人口基金(UNFPA:United Nations Population Fund)…すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、全ての若者の可能性が満たされた世界にするために活動する国連機関

UNFPA訪問


UNFPAエチオピア事務所代表のコフィー・コウアメさんとともに、UNFPAとBé-A〈ベア〉が運営するGBA(ジービーエー)の活動の現状共有とこれからの目標について話し合いました。
髙橋も、サウジアラビアで乗り換え待ちの間をぬって、リモートで参加。

有意義な時間を過ごし、UNFPAエチオピアスタッフと写真を撮っていた頃、髙橋からようやくエチオピアに着いたと連絡が。

ホテルで無事合流。最初のハプニングからの怒涛の一日を思い出し、嬉しさのあまり思わず抱擁を交わす私たち。

こうしてエチオピア1日目が終了しました。

(その2へ続く)

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