Report2025.03.07
【3/8国際女性デー特別企画】海陽学園の男子中学生が初めて生理痛を疑似体験!ジェンダーを超えて学ぶ「生理のリアル」

株式会社Be-A Japan(本社:東京都渋谷区神宮前、代表取締役:髙橋くみ、取締役:山本未奈子)が運営する女性支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」は、2025年2月27日(木)、愛知県蒲郡市にある海陽学園 海陽中等教育学校にて、生理セミナーを実施致しました。本セミナーは、2023年に続く2回目の開催。今年は株式会社リンケージ(本社:東京都中央区、代表取締役:生駒恭明)による協力のもと生理痛疑似体験プログラムを新たに取り入れ、男子校の中学校では初の試みとなりました。
海陽学園での「生理セミナー」実施への背景
海陽学園は、次世代のリーダーを育成することを目的とした全寮制の中高一貫男子校です。学業だけでなく、多様な価値観や社会課題に触れ、広い視野を持つ人材の育成を重視しています。性教育もその一つとして、生徒たちが将来、職場や家庭などさまざまな場面で適切な理解と配慮ができるよう、学びの機会を提供しています。
性別の違いや、生理を理由になにかを諦めることのない社会を目指すBe-A Japanと、多様化する社会の中で活躍できる人材の育成を目指す海陽学園の想いが合致し、 2023年国際女性デーに合わせて最初の生理セミナーの実施に至りました。今回のセミナーは、2023年に引き続き2度目の開催。中学校での実施は初となる生理痛疑似体験プログラムも取り入れました。
Be-A Japanが運営する女性支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」は、次世代へより良い社会をつなぐ活動の一環として、これまでに1,000名以上の男女を対象に生理セミナーを実施してきました。特に男子生徒に向けたプログラムは、知識を得るだけでなく、共感や配慮の意識を育むことを目的としています。
男子生徒が生理について学ぶ機会は決して多くはありませんが、未来の社会を担う彼らにとって、性別を超えて「知る」ことは重要だと考えます。今回のセミナーでは、生理の基礎知識を学ぶ講義に加え、実際に生理用品に触れるワークショップ、生理痛を疑似体験できるプログラムを実施。「知る」だけでなく、実際に体感してみることで、生理をより身近に感じてもらえるように、性別問わず互いを思いやることのできる社会を目指して欲しいとの想いを込めています。
さらに、「より良い社会の実現」に向けて、当日生徒たちが体験したことをもとにディスカッションを行い、主体的に意見を交わす場を設けました。
生理に対する正しい理解が深まることで、将来的に職場や家庭でのジェンダーギャップの解消や、誰もが快適に過ごせる社会の実現につながるよう願っています。
生理痛を疑似体験!男子中学生が学んだ“生理”のリアル
本セミナーでは、株式会社リンケージ様の協力のもと、筋電気刺激(EMS)を活用した生理痛VR体験装置「ピリオノイド」を導入。腹部に電極パッドを装着し、生理痛の疑似体験をしてもらうというものです。
事前に体験の希望者を募り保護者同意のもと、中学1年生8名、中学2年生8名の男子中学生が実際に体験しました。
※体験は、リンケージ社様のサポート下で、安全・人権に十分に配慮して実施。体験者の意志でいつでも体験を終了できるような環境で行いました。
当日体験した生徒たちは、
「お腹を掴まれる感覚がする」
「連続で100回腹筋をして、その後にもう1回腹筋をした時の筋肉の痛みに近い」
「お腹の奥をドラムで叩かれている感じ」
「鉄の棒で腹部を突き刺されたような痛み」
など、さまざまな表現で生理痛疑似体験で感じた痛みを伝えてくれました。
もちろん個人差はありますし、生理痛疑似体験で感じた腹部の痛みは、生理の症状のごく一部に過ぎません。しかしながら、この生理痛疑似体験プログラムを実施したことで、体験した生徒も、それを見ていた生徒も、生理についてよりリアルに学ぶことができたのではないかと考えています。
「これで受験勉強はしんどいな」
「この痛みで勉強したり集中したりするのは無理だ」
など、生理に伴う不調を抱えながら日常生活を送ることの大変さを実感し、女性に寄り添う気持ちが多くあがりました。
「生理を学ぶ」から「生理について考える」へ
セミナーはBe-A Japan代表の髙橋くみが登壇し、以下のプログラムにて開催されました。
1.生理の基礎知識
2.ワークショップ(生理用品に触れてみよう)
3.生理痛疑似体験(ゲスト:リンケージ社様)※希望者のみ体験を実施
4.生理にまつわるテーマでディスカッション
生理の基礎知識や生理がタブー視されてきた歴史・背景を学び、ワークショップや生理痛体験を通して生理が少しリアルに考えられるようになったタイミングで、最後に3つのテーマでディスカッションを実施しました。意見を交わすことで、一人ひとりが自分ごととして考え、未来の職場や家庭、社会でのアクションにつなげるヒントを得る場となりました。
テーマ①:受験当日に生理痛がひどい女子生徒に対して、受験先の学校側ができる配慮はどんなことがありますか?
これに対して、「女子トイレを増やす」「男子生徒と女子生徒の受験教室を分ける」「別日に実施できるようにする」など、実際に何ができるのか考え、議論が交わされました。
高橋からは、「答えに正解はなく、考えることがとても大事。どの意見もすばらしい」とお伝えした上で、大学共通テストではすでに生理時の追試が可能となった現状にも触れ、実際に社会はどう変わりつつあるのかについてお話ししました。
また、Be-A Japanは、生理を理由に何かを諦めることのない社会を目指し、商品の開発を行っています。
その一つである超吸収型サニタリーショーツBé-A〈ベア〉が、サニタリー期間を乗り越えるための選択肢となり、受験当日の不安を軽減できたというお声も多くいただいていることをご紹介しました。
テーマ②:男性にも女性の生理のように体や気持ちに変化が起きることはあると思いますか?ある場合、どんなサポートや制度があると良いと思いますか?
これに対し、「名称はないけど実際は(男性にも)それぞれあるのではないか?互いに理解を深めることや、相談できる環境を作ることが大事」「更年期の男性に対して、更年期休暇をつくったり、思春期への配慮もあるといい」などの声があがりました。
「女性だけでなく、もちろん男性も痛みを感じることはあるし、ストレス感じることはある。そして、その症状や度合いは人によっても様々。まずはそれをお互いにまずはそれを理解することが大切です。」と高橋から付け加えました。
テーマ③:将来自分が会社の社長になったら、女性が働きやすくなるためにどんなことをしたら良いと思いますか?
これに対し、「例えば(人事部のような)生理部をつくって、相談しやすい環境を整える」「生理痛時にはリモートワーク導入、痛み止めを無償化にできたらなお良い」「生理セミナーを行うことで理解を深めることで生理休暇を取りやすくする」などの意見がでました。
どのテーマに対しても「男女関係なくみんなが心地よく過ごせる社会」を作っていけるように、ぜひ今日の授業のことを覚えていてほしいと髙橋からお伝えし、セミナーを締め括りました。
セミナー参加者からの声(一部抜粋)
・生理は、生理痛という痛みを伴う場合があるということを知った
・生理痛以外にも頭が痛くなるなど様々な症状があることを知った
・ナプキン以外に生理用品があることを知れた
・体験で見たように人によって痛みに対する耐性が違うことが印象に残った
・(生理痛があったら)体育の授業は大変そうだなと思った
・会社などにおいて、女性の生理事情を簡単にいう(話す)ことができる環境づくりというのは難しいものだということが印象に残った
・将来的にも重要だし、いい経験ができたと思うのでこの取り組みを続けて欲しいと思いました
次世代のリーダーを担っていくであろう海陽学園の生徒たちへ向けて、生理セミナーを開催できたことは、Be-A Japan、そしてGBAにとっても大変意義深い時間となりました。この機会が、新たな気づきや対話を生み出し、未来を切り拓く力へとつながることを願っています。
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