Report2025.03.14

2回目の訪問が実現!GBAチームエチオピア訪問記(その3)

昨年12月に実現した、GBAチーム二回目のエチオピア訪問の様子をレポートします。(3/3)

その1はこちら
その2はこちら

3日目:国内避難民キャンプでの生理セミナー(記:髙橋クミ)

最終日となる3日目は、国内避難民キャンプでの生理セミナーです。
朝食を終えて早速向かいました。

まずは難民キャンプの女性たちもメケレの女性たちも利用する産婦人科を備えた保健センターを見学。
簡易な施設ですが、多くの女性たちはここで出産します。
紛争前後で大きく変わってしまった妊産婦死亡率の話に心が痛くなりました。
この産院だけでも、命がけで出産される女性が毎月30人以上いらっしゃるそう。

▼若いけれど熱心な産婦人科医の先生。ここでの状況を詳しく教えてくれました。

女性専用「セーフスペース」で生理セミナー

訪問先の国内避難民キャンプでは、ティグライ紛争時に避難してきた約2万人の人々が暮らしています。中には4年以上難民キャンプでの生活を強いられている人も。

生理セミナーを開催するのは、キャンプ内に設けられた女性専用の「セーフスペース」です。

殺人や強姦、涙なしでは語れない状況を経てこのキャンプへ辿り着いた女性たちが多くいます。そうした女性や子供たちにとってキャンプ内も決して安全とはいえません。 
男性の立ち入りを禁止し、壁に囲まれた場所である「セーフスペース」は、女性だけの憩いの場として、安心できる場所として存在しているのです。

▼通訳をしてくれたマレットさんと武市。後ろに見えるのは男性が入らないよう監視している「見張り台」です。

「セーフスペース」にはすでに席に座り、私たちを待つ30名強の女性(20代〜60代)たち。

女性に生まれ、ほぼ全員に起きる「生理」がエチオピアだけでなく、日本を含む世界中でタブーとされてきたこと。その為に起こる問題を少しでも減らし、女性も少女も暮らしやすい過ごしやすい社会を作ることを目的としている、という話から始めました。

セミナー後半では、吸水ショーツと日本、エチオピアのナプキンを使った吸収量のテストも。
吸水ショーツの吸水量を目の当たりにした皆さんは、
「こんなに吸えるの?」「しかもゴミも出ないの?」「何度も使えるの?」
と、驚きの声を上げていました。

最後に、皆さんお一人お一人のサイズを見ながら吸水ショーツをお渡しすると、とても喜んでくださいました!



生理の悩みは万国共通

エチオピアを訪れ、生理に関する悩みは日本と同じく世界共通であると改めて実感しました。どちらの国でも、生理は長らくタブー視され、十分な知識を得られずに過ごすことが当たり前とされてきました。

特にエチオピアでは、生理が知られることで早すぎる結婚や性的搾取の危険が増すという悲しい現実があります。布ナプキンは繰り返し使えますが、干すことで生理中であることが知られてしまうため、見た目が普通の下着に近い吸水ショーツの需要が高いのです。
一方、使い捨てナプキンは高価で、頻繁に使うのが難しいという声もあります。

GBAは今後も生理セミナーを通じて正しい知識の普及に努め、エチオピア国内で吸水ショーツの製造を目指します。
そして、世界中の女性が自由と権利を手にし、より豊かな社会へと歩めるよう活動を続けたい。

そんな決意を新たにした2回目のエチオピア訪問となりました。

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